2007年05月07日

また、大手損害保険会社を中心に自動車保険金の支払い漏れが相次いで明るみに出て、監督する金融庁による厳しい処分を受けた会社もあった。これは「損害が発生していても契約者からの請求がなければ支払わない」という姿勢にも起因するが、過度の商品開発競争により各種の特?




このような突発的事件・事故で保険会社の経営は危機に陥いる可能性があるため、ソルベンシー・マージン比率が公開されている。この指標は、保険会社のリスク耐久性を意味している。
現代の保険は基本的に上の考えに基づいて運営されているものであるが、事業として公平かつ安定に営むために以下の原則の遵守が要請されている。

保険会社が同一のリスクを持つ保険契約者の集団から集めた保険料の総額と、保険会社がその集団の中で支払う保険金の総額とは等しくなくてはならない。これを収支相等の原則といい、保険が継続的に安定して運営されるために要請される。収支相当の原則は、給付・反対給付均等の原則を時間的・空間的に拡張したものであり、後者は前者の十分条件であるが必要条件ではない。また、収支相等の原則は、同一のリスクを持つ保険契約者が集団として存在していることを前提としていることから理解できるように、同一のリスクを持つ者が多数集まることによって不確実なリスクを合理的に処理する仕組みであることを示している。
上記は保険金を受け取る側の不正行為であるが、近年は保険金を支払う側、つまり保険会社による不正が話題になっている。 バブル経済の崩壊以降の低金利政策によって多額の逆ざやを抱えることとなった保険会社は、逆ざやをカバーするための収益の改善に躍起となった。この結果、保険会社にとってコストとなる保険金の支払いを渋る状況が生まれた。 代表的なものは2005年に発覚した明治安田生命保険によるものであり、明治安田生命保険はこれで2度にわたり業務停止命令を受けることとなったが、その後このような不正な理由で支払い拒否をしていた保険会社が続々と判明し、保険業界全体に不正が蔓延していたことが明らかになる。
なお、保険金の支払い拒否自体はあってしかるべきであることには注意が必要である。保険金詐欺のようなケースはもちろん、加入時に病気にかかっていることを保険会社に正しく報告しない(告知義務違反)ようなケースでも保険金が支払われないことがある。病気にかかっている、つまり死亡のリスクが高いことに見合う保険料の支払いを逃れようとする詐欺的行為と見なされるためである。
前述のように、保険は金銭面での損失をカバーするシステムである事から、それを逆手にとって不正に金銭を得ようとする事件が後を絶たない。そもそも保険契約者と保険会社の関係は、典型的なプリンシパル・エージェント関係とみなされており、逆選択やモラル・ハザードが発生する危険を常に背負っているといえる。保険における逆選択とは、リスクがより大きな者が、保険加入に際してより強い動機を持つため、結果として保険加入者がリスクのより大きな者で占められてしまう傾向をさし、モラル・ハザードとは、保険加入によって保障(補償)が得られるために、加入者がリスクを回避することを控えてしまうことをさす。
posted by 生命保険研究 at 20:40| 保険研究所 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする